2013年7月30日火曜日

まりもの食事

悪性リンパ腫発覚までまりものご飯は、ヒルズのサイエンスダイエットに市販のワン子用缶詰を少量混ぜて食べさせていた。缶詰の種類はササミや若鶏レバーの水煮、馬肉ほぐしなどで、1缶を2〜3日で食べ切るくらいにし、飽きない様、数日毎に種類を変えていた。
病気発覚後は病院で勧められた、がん治療専用のヒルズの缶詰を与えたが食べない。K先生に相談して、高脂肪、低炭水化物の手作りご飯に変えたのだ。
これを日に2回。結構美味しそうな匂いがするよ!

材料は鳥のレバーと胸肉、ブロッコリー、人参、舞茸、それにヤズ(ハマチの子)の角切り。今回は骨は抜いてある。時として、ブロッコリーと人参はキャベツや茄子に、鳥肉は豚肉や熊本から取り寄せた馬肉などに、ヤズはアジや鯛、メバルなどに代わる。魚は骨ごと圧力鍋でホロホロにして食べさせる事もある。

そして毎回ご飯の時に混ぜてやるのがゼラチン。がん細胞をコーティングし、増殖するのを抑制するらしいのだ。それと食後にお薬と一緒にチーズに包んでサプリメントを。以前はDフラクションを与えていたが、先月半ば頃からリンパクトに変更した。
1回の食事でゼラチンは超小さじに4杯、リンパクトは半錠与える。

パンや芋類、果物や甘いおやつなど、お裾分けも一切なし。こんな事でがんが治るのなら、がんで亡くなる人なんて居やしないが、少しでも望みがある内は気休めだろうと構わない。
いよいよ食欲が無くなれば、食べたい物は何でも食べさせてやるつもりだ。

しかし今は、とても喜んでご飯を食べてくれる。最近お裾分けが無いので不思議に思っているかもしれないが、その代わりに大好きな手作りジャーキーを貰えるので構わないらしい。
食べ終わっても執拗に皿を舐め回す。いやしいよ!

今日も完食!まだ食べたいらしいが、ご飯はこれでお終い。これから寝るまでの間にジャーキーを何枚か食べるでしょ!
ジュニアが使っていたお食事台と、ペー君が食事時に敷いていたマット。

ステロイドの副作用もあり、今は凄い食欲。元々あまり食いしん坊では無いまりも。食べられなくなるまで美味しいのいっぱい食べようね!食べ過ぎはいけないけどね。

2013年7月28日日曜日

避難しろ!

我家から車で10分ちょっと、距離にして凡そ6kmの所にある外貿埠頭。一万トン級の客船等が寄港する大きな港で、毎年この時期に花火大会が開催される。打ち上げ数は約10,000発。勿論まりもは震え上がる。余りに可哀想なので、毎年この日は松剣の実家に避難する。
以前はもっと近くに住んでいて、ドドーン!の音の後、家中のガラス戸がビリビリビリーと震えるほどで、ジュニアも随分怖がったものだ。

実家のマンションには来客用の駐車場が無く、少し離れた場所に駐車して歩かなければならない。蚊に刺されない様、薬局で見つけた虫除けリングなる物を首輪に付け、早々に避難開始!虫除けを付けたが刺されちゃいけないので、実家周辺を5分だけ散歩した。
天然レモンユーカリ油で、素材はシリコンゴム。ハーブの様な香りがする。

実家には、先週お食い初めで帰省した妹と姪っ子だけがまだ居る。義弟とお婆ちゃんだけ先に東京に戻り、妹達は明日の夜、飛行機で帰る。実家に着いたまりもは大喜び!
生まれて3ヶ月の姪っ子。まりもは体重を追い越されたよ!

昨日買ったばかりのおもちゃ。キュッキュッと鳴る、タツノオトシゴ?
まだ手に持って遊ぶ事は無いが、音を鳴らしてやると笑う。まりもは自分のおもちゃを取り返そうと周辺をウロウロ。さあ、どうする?
返してよぉ〜。それまりものなのに!

ちょっとこっちから回って・・・と、よいしょっ、取れた!
えー?返さなきゃいけないの?

この子がヨチヨチ歩ける様になったら一緒に散歩に行きたいね、まりも。そして出来る事ならこの子の記憶の片隅に、まりもの事が残るまで・・・そうなるように頑張ろうね、まりも!

2013年7月26日金曜日

7回目の抗がん剤

いつもは相方が連れて行ってくれるK動物病院。今日は有給休暇を取得した松剣も一緒だ。
明日は一緒に病院に行くよと、昨夜から言い聞かせていたせいか、今朝はとっても早起きさんだったまりも。朝食を済ませ支度を始めるとソワソワ。さあ、行こうか!
そんなに嬉しそうにして・・・病院ですよ!

今日は比較的空いていて、すんなり待合室で座る事が出来た。待っている間、診察室に太っちょの柴系ワン子が呼ばれて入って行った。かと思うと、ひぇ〜!ひゃぃ〜ん!と悲痛な声が!心配そうに見つめるまりも。どうやら診察台に乗っけただけで、大騒ぎの大げさワン子だったらしい。
大丈夫かなぁ・・・大きなお兄ちゃんだったけど、そんなに怖いの?

15分程で名前を呼ばれた。今日はT子先生の診察で、先ずは体重測定。4.70kg、前回より50g減っている。あまり太らせると肝臓に負担がかかると思って・・・というと、元々肝臓が悪いわけじゃ無いので、食べ物で負担がかかる事は殆ど無く、余程質の悪い肉や、安いジャーキーを毎日大量に食べさせるなどしなければ大丈夫。あまり太り過ぎるとしんどいから、体重管理は必要だけど、食べられる内にしっかり体力を維持してやるようにね、との事だった。でも程々にしておこうね。
採血するね。動かない様、看護師さんがロック!

続いて血液検査の為の採血。まりもちゃん、大人しいけど動くといけないからねと、いつも優しく声をかけて下さるこの看護師さんも、ご自身のワン子を同じ病気で亡くされている。うちの子は結局グリグリが消えなくてね・・・だからまりもちゃんには頑張って欲しいと応援して下さる。因みに、今一緒に暮らしているワン子の名前は『あんず』。偶然だね!

さて、血液検査の結果。白血球数は7000台と若干少なめだが、その内5000何某かは好中球なので、抗がん剤決行。今日はエンドキサン。他の数値もバッチリで一安心だ。T子先生からK先生に交代して抗がん剤の点滴準備。
ちょっとカメラ目線で頑張ってるアピール?

今日は松剣の膝の上で点滴を受ける。手のひらに感じる優しい重みと温もり・・・
愛おしさと不憫さで、まりもへの愛情はどんどん深まる。

今日はすごいリラックス。太い松剣の足が心地良いクッションに?

膝の裏に僅かに残っていたグリグリも消えた。完全寛解まで行けそうだねと、T子先生。抗がん剤が出来る内はまだ良い。効かなくなってからが恐ろしいんだそうだ。
まりもと同じ頃、同じ病気と診断されたボーダーコリー君。抗がん剤を点滴すると白血球数がグンと減って戻らず、思う様に治療が出来なかった。インタードッグだけの治療で、1ヶ月程前に旅立ったそうだ。よく躾の出来たお利口ワン子だった。看護師さん曰く、ここで抗がん剤治療を受けている子は、どうしてこの子が!?って言う良い子ばっかり。何でだろうね・・・

今日も頑張ったね、偉かったよ!まりも。大きなご褒美ガムをあげようね。相方の手から奪い取るように後ろの座席へ運んで、ペロッと平らげる。
すっごい硬いこのガム。10分と持たない・・・

ガムを食べ、水を撒き散らしながらジャバジャバ飲んで落ち着いたまりも。寝顔も食べてしまいたいほど可愛い・・・親バカだろうか。
家に着くまで一寝入りしましょ。

次回は8月5日。抗がん剤の治療は後4〜5回ほどだろう。抗がん剤を完璧に切るタイミングでリンパ球療法を始める予定だ。このまま治療がうまく行きます様に・・・

2013年7月21日日曜日

えー、またですかっ?!

妹一家が義弟のお婆ちゃんと一緒に帰省している。義弟はアメリカ出身で、ご両親は先月お婆ちゃんと一緒に来日していたが、仕事の関係でお婆ちゃんだけ残して帰国した。

明日は姪っ子のお食い初めの儀式を実家でやる予定。松剣の家にあるテーブルを貸し出す事になっているので、晩ご飯はその辺で簡単に食べようと思っていたのに、またまたカレーを食べに行く事になった。勿論まりもも一緒に。それくらいのネタなら、わざわざブログの更新はしなくてもいいかとも思ったが、やっぱり思い出は一杯あった方がいい。
下の方が冷たくって気持ちいいも〜ん!

椅子を2脚くっつけて広くしたが、今日は下に座りたかったらしい。貸切の方にしたから誰にも迷惑はかからないし、まっいいか。料理が来るまでそこで待っていれば・・・
そうこうしているうちに注文した物はすぐに運ばれて来た。いつもは肉の入ったカレーにするが、今日はシーフードカレー。小さめだけど、プリプリのエビがゴロゴロ入っている!
ナンも、いつものアーモンドでは無く、バターにしてみた。更にタンドリーチキンもマライ・ティッカというあまり辛くないスパイシーチキンに。松剣も相方も、タンドリーチキンよりこっちの方がお気に入りに。次回もきっとこれを注文するだろう。
まりもはこのテーブルの下に潜んでいる・・・

抗がん剤を使い始めて半年以上経過したまりも。混合ワクチンもフィラリアの予防も出来ない。K先生には、蚊に刺されない様、お家の中で遊んでねと言われている。このお店、味もいいがテラス席にも囲いが有り、冷暖房完備。蚊も居ないので晩ご飯にはもってこいなのだ。
でもこのお店ばかりじゃ飽きるよね。蚊の対策を考えて別のお店にも行こうね、まりも!
今日もガムを頂きますよ!

晩ご飯の後買い物に。相方が買い物する間、松剣とまりもは車で待っていた。相方が行った方をジッと見つめるまりもの後ろ姿がとっても可愛いので、思わずパチリ。
こっちから帰って来るよ!この後ろ姿、チワワとは思えない・・・

実家にテーブルを貸したので、今夜と明日の朝は懐かしいテーブルで過ごす。そう、あの松剣と相方の、ジュニアの思い出。四隅がこんな感じでボロボロ。脚を折り畳んで立てかけていたら、テーブルの脚はあんずの爪研ぎにもなっていた。
一番酷いのはこんな感じ。ここまでしなくても・・・

テーブルの四隅をこんなにした時、結構厳しくジュニアを叱った。今となれば、あんなに叱らなきゃ良かったと思う松剣。仔犬は歯が生え変わる時、痒いのにね・・・

このテーブル、ますます大切になった。あんずの思い出も一緒になったから…

2013年7月16日火曜日

6回目の抗がん剤

前回のドキソルビシン点滴から12日。今日も朝一で相方がK動物病院に連れて行ってくれた。いつも通りまりもに頑張れパワーを注入し、ふたりを見送り職場に向かう。今日も朝から気温が高い。待合室で座れるといいけれど・・・

相方とまりもは9:00過ぎに到着。連休明けで混み合っていると思っていたが、今日は比較的空いていて、座って待つ事が出来たそうだ。
いつものジャーキーとお水のセット。混み合う前に1枚撮っとこ。

職場で相方からの連絡を待っていた松剣。ちょくちょくメールを確認するが、11:00過ぎに、やっとメールが入る。抗がん剤出来ました、詳しくは帰ってからね。って、何か意味深じゃん。何ぞ悪い事でも言われたんじゃ無かろうか・・・急に心配でたまらなくなった。
しかしその後のメールで、ちょっとだけ良い事があったんだと知り、今度は嬉しくて頑張ったまりもに早く会いたくてたまらなくなった。

その頃待合室では・・・入って来るなり、まりもに凄い興味を示したワン子が・・・!
何だか嬉しそうに近付いて来たけどね・・・

他のワン子が苦手のまりも。近づかないでオーラを出してみたが効果は無い。相方の膝の上に
避難したが、どんどん近付いて来たそうだ。
この子、まだ近づく気よ!・・・どうしよう・・・

とても優しい女のコだったらしいが、やっぱり怖がるまりも。ダメだなぁ・・・
ひぇ〜!こんな近くまでっ!

そうこうしている内に名前を呼ばれ、診察室へ。先ずは体重測定とグリグリチェック。膝の裏に僅かに残っているが、脇の下のは消えているって。よし、良い感じ!
4.70kg。肉を減らして野菜を増やした効果が!

続いて血液検査。白血球10030の内、8割くらいが好中球で、抗がん剤決行。今日はビンクリスチンだ。他の数値も問題無く、ついでにフィラリアの検査もお願いした。結果は陰性。抗がん剤との併用は止めた方が良いので、蚊に刺されない様に気をつけてと言われたらしい。そして、今日はエコーで脾臓もチェック。
スキャナーを出すのが面倒なのでカメラで撮影。

上が5月23日撮影。写真上部が蜂の巣状になっているのがわかる。下が本日撮影分。抗がん剤良く効いているね、蜂の巣状になっていた所が随分綺麗になっているよと言われたそうだ。
後からのメールで松剣が知った、ちょっとだけ嬉しい事。しかし浮かれてなんていられない。容体が急変する事だってあるかもしれないし、うまく行っている様で、気づかない所に転移しているかもしれない・・・本当に怖い病気だ。

あと5回の抗がん剤でプロトコールは一旦終了。このタイミングで脾臓に針を刺し、細胞診で完全寛解かどうかを見極めるらしい。活性化リンパ球療法も、プロトコール終了の少し前に再開する事になりそうだ。何とか寛解出来ます様に。そして11月、8歳の誕生日を迎える事が出来ます様に。勿論、9歳、10歳、11歳、12歳・・・ずっとずっと誕生日会しようね、まりも!

2013年7月14日日曜日

ジュニアの思い出

7月14日はジュニアの命日。あれから8年になる。

平成元年GW最終日の夜、友人Fにちょこんと抱っこされてやって来た小さなワン子。生後2ヶ月足らずか。薄汚れていたので洗ってやったが、何だか黒い汚れが落ちていない。もう一度洗ってやろうとしてギョッとした。汚れでは無くノミだった。全身に何十匹も!バケツに湯を張り、その中で一匹一匹プチプチ退治してやると、すっかり落ち着いてクークーと寝入った。
デジカメなんて無い頃の写真。ネガをスキャンしてみた。まりも??

翌朝、首輪もリードも無しで散歩に出掛けた。この人から絶対に離れるもんか!と思ったかどうかはわからないが、そんな感じで一生懸命、必死で松剣の後を付いて来た。名前は『ジュニア』とし、その日から松剣の生活は一変する。

当時アルバイトをしながら生計を立てていた。お金が無く、明日食べる米にも事欠く始末。なのにパチンコばかりで貯金は0。家具や家電も粗大ゴミで拾った物や、古道具屋で買って来た寄せ集め。割れたガラスもそのままだったりと、結構ワイルドに?暮らしていた。

でも・・・ジュニアにおやつを沢山買ってやりたい。可愛い首輪も付けてやりたいな。
1週間に1回の休みじゃつまらないよね。ちゃんとした生活をしよう!先ずは正社員で働く事に。幸いにもバブル真っ只中。すぐに就職は決まった。
川土手の公園で。蟻がたかったアメを拾い食いし、口の中を蟻だらけにしたっけ。

生活も安定し始め、家の中の家具や家電も一つ、また一つと、まともな物に変わっていった。
可愛いジュニアが病気になったら大変!いざという時の為に貯金もしなくっちゃ。ジュニアのお陰で人間らしい生活に変わっていった。

翌年の夏には相方と一緒に『ペットと泊まれるホテル』と言う本で見つけた、萩のペンションに泊まった。秋吉台、萩、仙崎を巡る旅。真夏で暑かったけど、秋芳洞の中は涼しかったね。まりもとの初めての旅行も同じコースだったな…
初めての旅行で。痩せっぽちのジュニア。体重は7kgくらいだった。

この頃はイタズラもすごかった。仕事から戻ると裁縫箱を引っくり返し、針山からマチ針を全部引き抜いていたり、自分の顔くらいある大きなチョコを半分食べて、残りは食べきれずにクッションの下に隠したり。電話を壊した事、テーブルの四隅全てをガジガジに噛んでボロボロにした事も・・・あのテーブル、今はもう使っていないけど、松剣と相方の、ジュニアの思い出。ちゃんと取ってある。

松剣の膝がジュニアの特等席だった。

この頃大事件が起こった。散歩中におじさんが連れたワン子とかかってしまったのだ。当時通っていたK村動物病院に電話をすると、妊娠させない注射を打ってあげると言う。リスクなどの説明も無く、無知な松剣も何も聞かず注射を打ってもらった。
4年後、6歳の若さで子宮蓄膿症になった時、AK動物病院でこの注射が原因と知らされ、こればかりでは無いが、K村動物病院には不信感を抱き、通うのは止めた。

この事件の少し後、ペー君が家族に加わり、一層楽しい日々になった。休日のピクニックや釣り、旅行・・・いつも一緒に出掛けたね。食いしん坊のペー君と競うように何でも食べて、数年後には体重が11kgになった。食べさせ過ぎが原因で、12歳の頃には膵炎に。大事には至らなかったが、飼い主としてサイテーだ。これをきっかけに食事やおやつを見直し、脂肪分を控えるようにした。
ペー君が旅立った夏。ジュニアとの時間がとても大切に思えた。

ペー君が旅立った時の寂しさはジュニアが埋めてくれたが、この時既に13歳。これまでジャンプしていた所が跳べなくなったり、食事中も後ろ足に力が入らずツーっと滑ったり・・・
前歯も2本抜け、老いを感じるようになってきた。見た目はとても元気だけど、ペー君との
お別れが来たように、必ずこの子とのお別れもやって来る・・・今を大事にしなければ。週末毎にいろんな所へ出掛け、旅行にも何度も行ったね。別府、湯布院、ペー君とも行った、思い出の阿蘇・・・最後の旅行は、天国に旅立つホンの2ヶ月前。大山・美保関・境港周辺だったね。あれが最後になるとは思いもしなかった。
ピクニックの帰り。くたびれたぁ〜。下の前歯2本、抜けちゃった・・・

平成17年6月下旬。自宅から約90kmの所へ鵜飼を見に行った時だった。ジュニアの足取りがおかしい。先を歩く相方を呼び止めジュニアを抱き上げると、目がクルクル回っている。ペー君と同じだ!大急ぎで戻り、待機してもらっていたK先生に診てもらった。やはり前庭異常。
この病気自体は怖い病気では無いのだが、注射しても、何日経っても一向に良くならない。食欲は無く、どんどん弱っていく・・・随分迷ったけれど、K先生には悪いがペー君を治してくれたAK先生に診察してもらいたいと正直に話した。快く応じて下さったので、AK先生にペー君が受けた『ステロイドパルス療法』をお願いした。

少し良くなり随分食欲も出て来たので、きっとこれで良くなる。そう思っていたが、年齢がそうはさせなかった。16歳。きつい治療に耐えられなかった。自宅で痙攣を起こしたように硬直し始めた。急いで病院に向かう。色々と手を尽くしてもらったが、今夜が峠だと素人でもわかった。松剣が運転する帰りの車の助手席で、相方の腕に抱かれて逝った。少しだけ苦しそうにしたが、すぐにスーッと楽になったね・・・

16年間ありがとう、ありがとうと、何度もお礼を言った。ジュニアと出会っていなかったら、荒んだ人生だったかも知れないね。ジュニアが人生の軌道修正をしてくれたんだ。家族になれて幸せだったよ!それに、ジュニアに出会っていなければ、まりもとの出会いも無いはずだ。
ジュニアのイメージは淡い色の花。好物の和菓子とドーナツを供えて・・・

ジュニアの可愛さは、きっと松剣と相方にしかわからない。まりもは本当に人が大好きで、買い物の間など、ちょっとつないで留守番をさせていると、知らない人の膝に座っていたり、知らないお姉さんに抱っこされて尻尾フリフリだったり、誰からも可愛がってもらえるタイプ。しかしジュニアはとても警戒心が強く、松剣か相方が居ないとダメだった。そんな所がたまらなく愛おしかったのだ。

松剣これまでの人生、人に意地悪もしたし、嘘だってついた。卑怯な事もしたし、人に迷惑だって掛けたから、きっと地獄行きだ。天国に居る君たちには会えないんだろうね・・・

2013年7月13日土曜日

リンパ球点滴

今日は5回目のリンパ球点滴の日。家を出てすぐに相方が自分の髪型を気にし始めた。ブローが良くなったでしょう、と言う。そうだねと、相槌だけ打っておけば良かったものを、これだから本音は言えないねと、つい口走ってしまった。

先週日曜日に髪を切った相方。正直な感想を求められたので、少し老けて見えると言ったものだから、この一週間何かと言えば髪の話で、いささかうんざりしていたのだ。
この一言で相方の機嫌がすこぶる悪くなった。車中に漂う険悪ムード・・・まりもは敏感に察知し、ジッと静かに伏せて居る。30分ほど無言で運転を続けたが、これから点滴を頑張るまりも。こんなに気を遣わせては可哀想だと思った。相方も同じ様に思ったのか、些細な会話でいつも通りの明るい車中に戻った。

途中のSAで少し休憩。三連休初日とあり、大勢の人で賑わっている。前から気になっていた串刺しベーコンとマンゴースムージーを購入。鉄板でこんがり焼いた分厚いベーコンは絶品!
お裾分けはチョットだけネ。後でしっかりジャーキーをいただきました。

高速道路は思ったほど混んではおらず、予定通り病院に到着。待合室は相変わらず一杯だったが、暫く待つと席が空いた。今日は騒がしいワン子が沢山居て、ちょっと緊張気味。
どんなに吠えられても知らん顔。だって怖いもん。

待っている間、気になる事があったまりも。壁に付いた黒い物・・・どうやら他のワン子の
肛門に付いていたらしい。
何か付いてるよぉ〜・・・ねぇねぇ、これきっとうん◯だよ?!

いつもは1時間くらい待つが、今日は20分程で名前を呼ばれ診察室へ。先週金曜日にドキソルビシンを点滴したが副作用は全く見られず、脇の下のグリグリも消えた事を伝える。触診したA先生も、抗がん剤がよく効いていて良い感じですよと言って下さった。ホッと一安心してまりもを預け、2時間後のお迎えまで食事に出かけた。

点滴の日はいつも病院周辺で食事を摂るが、近隣には食べ物屋さんが多いのでとても助かる。
今日は相方一番の大好物、お好み焼きに。地元の人ならテーマソングを必ず歌えるというこのお店、メニュー豊富で味も良いが、運ばれた材料を自分で調理するのも人気の秘訣だろう。
松剣は鳥の唐揚げとむすびのセット、相方はサラダのセットを注文。

単品で何かを頼む事は無い松剣。必ずお得なセットにする。しかも相方は一人前を食べ切る事が無いので、残りも必ず食べる事になる。お陰で最近コレステロールが若干高め。要注意だ。
美味しそうに焼けました!トッピングのねぎはたっぷりと。

クーポンを見せて食後のバニラアイスもGET!美味しく頂いた後は電気量販店でマッサージ。
いつもこんな感じで時間を潰し、まりもを迎えに行く。今日も頑張ったまりも。偉いよ!
帰りの車で約束のご褒美をあげないとね!
まるで凶暴なワン子みたいじゃん!

抗がん剤が良く効いているし、副作用も無いのでリンパ球療法は少し間を空ける事になった。
このまま完全寛解に持っていければ、抗がん剤を切るタイミングで再開すれば良いでしょうとA先生からもアドバイスを頂いた。

来週火曜日はK先生の診察だ。別の抗がん剤を入れる。種類を変える事で、抗がん剤に対する耐性を持たせなくするのが狙いらしい。今度こそ完全寛解できます様に。そしてその状態が
永く永く続きますように・・・

2013年7月7日日曜日

星に願いを

今日は七夕。元々は中国伝来で、日本以外にも韓国、台湾、ベトナムにおける節供でもあるが、短冊に願い事を書いて葉竹に飾るのは日本だけの風習らしい。子供の頃は決まって『勉強が出来るようになりますように』とか『金持ちになれますように』などと書いたものだ。宿題だってまともにしないヤツが勉強なんて出来るようになる訳なかろう。今なら間違いなく『この世から全てのガンが無くなりますように』と書く。子供の頃真剣に考えていた事の殆どが、どうでもいい事、自分の努力次第でどうにでもなる事だったと気づく。

さて、今日は松剣朝から剣道の試合に出掛けていた。と言っても、出場した訳じゃなく、運営の手伝い兼、応援にだ。会場の暑さに加え運営上事故や不手際が無いよう気疲れでヘロヘロ。夕方帰って30分程横になりウトウトしていると、美容院で綺麗になった(はずの)相方から電話が入った。晩ご飯はまりもと一緒にカレーを食べに行きましょうよと言う。この前行ったばかりだけど、夏はカレーを食べたくなるものだ。まりものジャーキーとガムを早速準備する。

19:00前にお店に到着したが既に駐車場は満車に近い。が幸いテラス席は空いている。前回とは反対側の一組用のスペースに陣取る。貸切状態!椅子を汚さないように・・・
まりも専用のバスタオルを敷いて座るよ!

前回同様アーモンドナンとサフランライスは外せないとして、何カレーにしようか?
迷った結果、パラク・パニールというホウレン草とチーズのカレーを、タンドリー(バーベキュー)からはタンドリーチキンと、ジンガ・ミルチというエビ・玉ねぎ・ピーマン・トマトを使ったインド風の炒め物を注文。
お腹はペコペコ!全部美味しそう!何にするか迷うなぁ・・・

料理はこれで全部揃ったが、写真撮影がなかなかうまくいかない。まりもが椅子から降りたりよそ見したり。カメラの設定が悪くてピンボケだったり・・・冷房がよく効いているので早く食べないと冷めちゃうよ!
また写真〜?これでいいでしょ!カメラ目線で決めて、っと。

初めて食べた炒め物、中華のエビチリか酢豚の味付けに似ている。ピリ辛で酸味と甘味が絶妙。またまたご飯がススム君。ほんのり甘いナンも絶品。いつもは水で我慢だが、今日は奮発!ラッシーも追加で。おっと、自分たちばかりが食べてちゃいけない。お待たせ、まりも!
デカ過ぎて2回も下に落としちゃった!あわてて拾って・・・

今日も驚異的な早さでガムを完食したまりも。それでもまだ何かもらおうと椅子から降りてウロウロ。松剣の膝に立ったして・・・
ねぇねぇ、まだあるんでしょ?匂いがするよ!

今の所、ドキソルビシンの副作用は全く無く、食欲満点。お腹の調子もすこぶる良い。でも食べ過ぎはいけないね。小さめのジャーキー2つ。これでお終い。
この笑顔に弱いんだなぁ〜。もう1つオマケだ!

脇の下にあった小さなグリグリが消えた。一昨日までは指先に僅かに触れていたが今日はどれだけ探しても見つからない。何かを探して見つからない事がこんなに嬉しい時もあるんだな。
それでも油断大敵。このまま副作用も無く抗がん剤、効きますように・・・
七夕の夜の、ささやかな願い・・・



2013年7月5日金曜日

ペペとの思い出

7月5日はペペの命日。あれから11年・・・松剣と相方が抱くペペのイメージは『ひまわり』。なので毎年命日には、こうしてひまわりと大好きだったチーズなどを供えて偲ぶ。
勿論、一日たりとも忘れる事なんて無いのだけれど。
みんなが集う居間でいつも一緒のペペとジュニア。

出会いは平成3年の晩秋だった。首輪の無いワン子。ちょっと脱走したんどろうと軽く考えていたが、とうとう元の飼い主は現れなかった。保護した時、先住ワン子のジュニアが居たのでとても迷ったが、警察に『拾得物』として届け出た時、署のカウンターで体高や特徴を警官が記録する間、ブルブルとひどく震えていた。迷子になったのか、捨てられてしまったのか・・・かわいそうでたまらず引き取ると決めたのだった。

そうなると一番大事な事、どうする?名前。和風に「太郎?」と呼んで見た。反応は無い。「コロ?」「プー助?」どれにも反応なし。唯一反応したのが「ペペ」だった。それからは松剣と相方のみならず、家族や周りの友人も、みんな彼の事を「ペー君」と呼んだ。一見怖そうに見えるし、ちょっと不器用で神経質な柴犬らしい一面もあったが、とても人懐っこく、一部の人にしか心を許さなかったジュニアと違い、みんなからとても可愛がってもらった。
推定年齢2〜3才でやって来た頃。いつものお散歩の公園でパチリ。

引き取ったは良いが、ジュニアとの間に子犬が産まれる可能性100%。拾得物として届け出たので、半年間は正式な飼い主では無い。去勢か避妊か・・・身体への負担は去勢の方が少ない。でも元の飼い主が現れたらゴメンじゃ済まないだろうな・・・しかし飼い主が現れない事を祈り、去勢した。これで安心してジュニアと生活出来る様になった。

人懐っこい割には他のワン子に対してはとても喧嘩っ早く、友達ワン子なんてひとりも居なかったけど、ジュニアには絶対服従。何をされても歯向かう事は一度も無かった。家の中では付かず離れずの場所に居て、散歩はいつだって一緒。松剣が毎日朝夕、ふたりを連れて行った。休みの日は1時間以上。松剣も季節を感じながらの散歩は楽しく、大好きな時間だった。

毎日散歩はしていたが、足りていなかったのか、ヤツはよく脱走をした。裏庭から通じる狭い通路に設えた、松剣お手製の柵をぶち壊し、乗り越える。しかし大胆なくせに怖がり。遠くに行く事は無く、車で追いかけジャーキーを見せればすぐに捕まった。近所の子供がペペちゃん連れて来ました、と捕まえてくれた事もあったっけ…
初めての旅行で岡山の牛窓を訪れた時。若くて貫禄十分!

弁当を持ってピクニックにもよく出掛けたが、知らないお姉さんからサンドイッチをもらっていたり、知らないお兄さんにメッチャなでなでしてもらっていたり・・・旅行にも何度か出掛けたな。写真の牛窓、阿蘇、小豆島・・・大胆なのに神経質で、旅先ではいつもトラブルメーカーだった。夜は寝ないし粗相はするし・・・ぞれでも楽しい事一杯だったね。

そんな生活が10年近く続いた平成12年の暮れ、ペー君は突然ひっくり返って立てなくなった。クルクルと目を回し、食べたものを戻したので慌てて病院へ行くと「前庭異常」と言う老齢犬に多い脳の病気と診断された。ステロイドの大量投与で歩けるまで回復はしたが、首を傾けた状態の後遺症が残った。いつも何か考えているようで、この頃のあだ名は「ハテナ君」。この病気をきっかけに、勇敢で喧嘩っ早いペー君はとても大人しいワン子になってしまった。
すっかりおじいちゃんワン子になったペー君。お顔も真っ白け。

前庭異常から約1年後の2月。今度は足の付け根の血管が詰まり、心不全と診断され入院した。1ヶ月も持たないだろうと余命宣告されたのだが、こんなに可愛いペー君をひとり病院で旅立たせるなんて出来ないと思った。どうしても家で看取りたいと、当時開業前で、H動物病院で副院長をされていたK先生に相談したら快く応じて下さり、連れて帰る事になった。少しでもたくさん思い出を作りたいと、あの時も今と全く同じ心境で毎日を過ごした。しかしペー君はとても頑張って、驚異的な回復力で先生をビックリさせたのだ。
病院から連れて帰り、驚異的に回復したペー君。食いしん坊が幸いしたようだ。

桜なんて見られないと思っていたけど、気持ちの良い季節になり、弁当持参で近場の公園に何度も一緒に出掛けたね。でもこれが最後のお花見になるとわかっていたから、涙でボワっとした桜を見ながら、ペー君を抱きしめて歩いた事を思い出す。桜吹雪がとても切なかった。
松剣と相方が一番気に入っている写真。最高の笑顔でしょ!!

最後の日はお腹が痛くてずっと鳴いていたね。痛み止めも安定剤も効かなかった。夜通し鳴いて、松剣と相方がウトウトした明け方。相方の腕の中で眠る様に旅立ったペー君・・・元の飼い主の所に戻りたくはなかっただろうか。うちに来て幸せだっただろうか・・・勿論幸せだったに決まっているね。だって松剣も相方も、ペー君に出会えて本当に幸せだったから!